アルザス食探訪(下)

このページは「アルザス食探訪(上)」の続きです。

2004年3月12日(金)
お昼ご飯をどこで食べようかなーということで、お目当てにしていたのが、川の側にあるWinstub Brenner。外に掲げてあるメニューはごく普通なのに、どの ガイドブックでもお薦めされているんだもの。12時半ごろにレストランに着いてメニューをもう一度見ようと目を上げると、小さな黒板がその上に掲げてあっ て「本日のお薦め」 が書いてありました。でも、この黒板、すごく目立たないの。

この目立たなくしてる加減が非常に私のツボにはまって、店に入ってみることに。小さくてすごく普通の食堂なんだけど、人がいっぱいで空 いてる席は 全て「予約」のカードがのせてありました。もちろん、予約のない私達は残念ながら食事できませんでした。でも、みんなが食べてる料理は前日St- Alexisで 食べたようなアルザス名物の半分ドイツ料理みたいな感じのものでした。次回はぜひっ。

さて、それではどこに行きましょうか?ということで、Hostellerie Le Maréchalという、このページ上部一番左の写真に写っている、川のほとりの、概観のすごく可愛い老舗ホテルのレストランに行ってみました。ランチ コー スが面白そうだったので、一人25ユーロのランチコースと22ユーロのMuskatを飲んでみることにしました。ところが、サービスはなんだかテキパキし すぎてて、食べてる方がすごくせかされてるような気分になるものだし、料理も手作りというより、いろんな仕入れたものを組み合わせてるだけって感じの超 しょーもないものばかり。ワインも私達の選び方が悪かったんだけど、マスカットの酸味が全然料理にあわなくて、とにかく最悪のランチになってしまいまし た。老舗ホテルの中を見られたのは良かったけど、それも、なんだか古いだけでイマイチだし、食器のセンスも最悪で、絶対おすすめできないホテル&レストラ ンでした。

お昼が残念だったので、夜は簡単でも美味しいところにしたかったので、緑ミシュランのお薦めにしてみようと思ったのですが、お目当ては 休暇中だったので、Colmarから車で10分ほどのEguisheimという町のレストランへ行ってみることにしました。Colmarの周りにある ショッピングセンターで 買い物をしてから行きたかったので「20時半に行きます」と予約を入れたのですが、ショッピングセンターが19時で閉まってしまったので、19時半にはも う到着してしまいました。 でも、それで良かったみたい。だって、その夜のお客さんは私達だけだったんだもの。

若いシェフががんばっているという本の説明の通り、パンも自分で焼いてるようだし、メニューも創意工夫の楽しい面白そうなものばかり。
美味しいグージェールとおままごとのおもちゃのように小さくてかわいいフラムクーヘンがアミューズとして出てきました。そして、 2月にミシュランの星を初めて獲得したということで「そのお祝いです」とシャンパンをあけて一杯ずつプレゼントしてくれました。
その後、小さな手のひらサイズの壷に入って暖かいかぼちゃのスープが出てきました。これもお店からのプレゼント。

<entree>ズッキーニのお花にカニの身を詰めたもの、きのこのマリネ・ルコラ添え。見た目も美しく て、カニと酸っぱいきのこの 味のコントラストがすごく面白くて美味しかったです。ダンナは自家製の生ハム。これも、すんごーい美味しかったのっ。お薦め。
<poisson>パイ生地のフラムクーヘンを、小さく刻んだ茄子のマリネとマグロのカルパッチョで覆って「たたき」のように焙って、オレンジパプリカの ソースを 添えたもの。どういう風にこんな面白いアイディアが出てくるのか不思議。お店の人に聞くと、シェフはよく旅をするらしいです。レバノンで長く働いていたそ うです。 ダンナが頼んだものも、「オマール海老のカプチーノ」という面白い名前で、本当にお皿に泡だったカップがのってて、その中に海老と美味しいソースが入って いました。
<dessert>私はクグロフのカラメル和え。フレンチトーストされて美味しいカラメルのかかったアルザス名物のクグロフのイチゴクリーム添えでした。 ダンナはベビーバナナをビールでフランベしたもので、これもすごく可愛くデコレーションされてて、美味しそうでした。
ワインは、運転のダンナは飲めないので、私はまたまたGewürztraminerをグラスで頼んだんだけれど、わざわざ私のために新しく開けてくれて、 せっかく開けたのでってことで、ダンナにも一杯サービスしてくれたのでした。(本人は一口だけ飲んで、残りは私がもらったんだけど)
食後にエスプレッソを頼んで、お店からまた出てきた小さな甘いケーキの盛り合わせを少しつまみました。

お勘定は二人で130ユーロ。この日は雨も降っていて、レストランも休暇明けということで、まだ知らない人も多くてお客さんが全然いな かったけれど、 ミシュランの星も獲得したということで、これから値段も上がって入りにくくなったりするのかしら?でも、とにかくすごくフレンドリーなスタッフとアイディ ア いっぱいのお料理にとっても感激した夜でした。ぜひ次回は、Eguisheimに宿を取って食べに来たいなーと思いました。

Le Caveau d’Eguisheim
3 Place de Chateau-St-Leon tel: 03 8941 0889
1月下旬~2月下旬は冬休み。月火定休。ランチコース有りです。 → 2005年の レ ポートへ

2004年3月13日(土)
グルメな小旅行も今日で終わり。マンステル(ムンスター)チーズで有名なMunsterの隣の村にあるレストランで最後のアルザス料理を楽しむことにしま した。でも、ここもね「・・・どこやねん!」ってちょっと不安になるぐらい奥地です。

緑のミシュランガイドによると、ここは土日の夜のフラムクーヘンが有名らしいのですが、土曜の午後は まだやってませんでした。やっぱり夜じゃなきゃダメなんですね、残念。

お昼のコースメニューを選びました(一人24ユーロ)。いろいろ選べたのですが、前菜に鴨のパテとサラダ。この3日間でコレステロール 上がりまくり。でも、スイスじゃこんなのないし、美味しいのでやめられません。メインには、Baeckoffaというお肉とジャガイモをじっくり柔らかく 煮込んだシチュー、ダンナの頼んだ牛肉料理のアルザス風シュペッツレ添えもドイツにもありそうなんだけど、塩味が薄めで少し違う感じで美味しかったです。 でも、とにかく量が多いの。

ColmarのTAVERNEでEdelzwickerが料理に合ったので、ここでも頼んだんだけれど、ここのはあんまり美味しくな かったです。 デザートはアイスクリームかチーズということだったんですが、隣のテーブルで食べてるアイスクリームがすんごくフツーのアイスだったので、 この地方の有名チーズMunsterをデザートにしました。熟れ熟れで、くさーーーーーくて美味しかった♪

素朴な料理はSt-Alexisがとにかく一番だけれど、あそこには、ここのようなパテとか少し手の込んだものはなかったので、それぞ れに 良さがあるなぁ~~と思いました。それより、ここの有名なフラムクーヘンは一度ぜひ食べてみたいですねー。

Restaurant des Cascades
6 Chemin de Saegmatt   68140 Stosswihr  tel: 03 8977 4474
1月は冬休み。月火定休。ランチコース有りです。有名なフラムクーヘンは土日の夜のみ。
Munsterの西6キロのStosswihr。Stosswihrの本道をずーーーーーっとまっすぐ走ると、最後に右にカーブするところがあって、そこ で小さな道に左折します。その村の中にレストランがあるのかと思いきや、ありません。村を抜け、橋を渡り、山に入っていくところにレストランがあります。
→ 2005年のレポートへ

アルザス地方でも今回見たのは本当にごくごく一部。まだまだ何度も行ってみたいと思っているので、皆さんのお薦めなどあればぜひ教えて くださいねっ!