りんごパン

Apfelbrot 

これは、ドイツパンというより、私が適当に作り始めて我が家の定番になったパン。 すり下ろしリンゴと牛乳で捏ねて、千切りリンゴをたっぷり入れた、しっとりしたパンです。
ハード系のパンが主に食卓にのぼる我が家でも、時々少し柔らかい雰囲気のパンが食べたくなるのですが、このパンは柔らかいのに重量感があり、砂糖は一切 入っていないのに、リンゴとレーズンのほんのりした甘味が本当にちょうど良くて、朝食にもKaltes Essen(チーズ、ハム、サラミ、ピクルスなどの冷たい食材とパンの夕食)にも良く合います。ぜひ一度お試しください。

※ : リンゴはジョナゴールドを使っています。
※ りんごパン作りには、Vorteig(フォアタイク = 前生地)を使います。 Vorteigというのは、粉分量の30%程度、同量の水、わずかなイーストを混ぜたものです。 Vorteigを作ってから生地を作る方法で出来たパンの方が、風味が良く、長持ちします。この糊状のものを2~8時間置いておきます。
詳しくは「美味しく仕上げるコツ」をご参照ください。
室温の違い等により、放置時間は異なりますが、Vorteigが最大に膨らんで、 しぼんでしまう直前直後が、Vorteigが熟成した時、つまり「使い時」と言われます。
  1. ボールに牛乳、小麦全粒粉、生イースト5gを入れて混ぜ、暖かいところで約3時間発酵させます。 私は電源の入っていないオーブンの庫内に湯たんぽを置いて醗酵室を作っています。(庫内温度 約35℃)
  2. ふっくら膨らんでしぼみかけた①の 生地の入ったボールに小麦粉、生イースト10g、塩、皮ごとすり下ろしたリンゴ、 ココナツフレーク、シナモンを加えて、10分ほどしっかり捏ねます。最初は柔らかく扱い難い生地ですが、捏ねているうちに弾力性が出てきます。
  3. ②でこねあがった生地に皮ごと千切りしたリンゴとレーズンを加えて、軽く混ぜます。 ここでしっかり捏ねていると、リンゴから水分が出てますます生地が柔らかくなってしまうので、全体にリンゴとレーズンが混ざる程度で構いません。
  4. ボールに布巾などで覆いをして、室温で1時間ほど生地を休ませます。(室温21℃)
  5. 空気を抜くように生地を捏ねるように丸め直し、細長く成形して綴じ目を下にし、刷毛で油を塗った型に入れて、40分ほど室温で置 いておくと、 型からはみだすぐらい、2倍近くも体積が膨張してきます。焼き時です。
  6. 水で塗らしたナイフで型の底に刃が当たるまでしっかり縦に切れ目を 入れて、表面に霧吹きで水をかけて、230℃のオーブンで最初は15分、その後200℃に下げて30分(全体で45分)焼きます。パンの焦げ色が付きすぎ ることが あるので、途中で庫内の様子を確認して、必要であればペーパーやアルミホイルでパンの表面を覆います。
  7. 型の中に入っていたパンの側面と底面が少し柔らかすぎる場合があるので、型から出したら、底を上にして、ひっくり返した状態で電 源の切れたオーブンに5分ほど入れておきます。
  8. パンの側面と底面の皮が少し固めになったら出来上がり♪ 網の上などに置いて冷まします。 このパンは水分が多くて、粉以外のものが沢山入っているので、温かいうちに切ると身が崩れがちです。味見はしっかり冷めてからにしてください。

※: このパンは水分が多くて足が速いので、数日で食べきれないようなら、半分はすぐに冷凍すると良いです。