ザワータイクの仕上げ方

3段ザワータイク Dreistufensauerteig
前項ではザワータイクの素(Anstellgut アンシュテルグート = スターター)の起こし方をご紹介しました。このアンシュテルグートは、パン生地に配合するザワータイクに仕上げなければなりません。
温度や配合割合によってその方法はいくつもあるのですが、ここでは一番一般的な3段階仕上げの方法(Dreistufensauerteig)を使います。

1. Anfrischsauer(アンフリッシュザワー)作り
この段階の目標は、酵母を増やすこと。
柔らかい生地は、酵母にとって増えやすい環境です。

土曜日 16:00→21:00 TA200柔らかめ
・アンシュテルグート  20g
・ライ麦全粒粉     50g
・ぬるま湯       50g

2. Grundsauer(グルントザワー)作り
この段階の目標は、乳酸菌を増やすこと。
固めで温度が低めの生地は、乳酸菌が増え易い環境です。
アンフリッシュザワーはそんなに沢山必要ないので、10gを残して冷蔵庫に保存します。
「間引きザワーを使ったパンレシピ」

土曜日 21:00→日曜日9:00 TA183固め
・アンフリッシュザワー  10g
・ライ麦全粒粉      60g
・水           50g

3. Vollsauer(フォルザワー)作り
Vollsauerとはパン生地作り準備の整った熟成したザワータイクのことです。 
この段階の目標は、酵母と菌類全てを増やすこと。
量が多いし、フォルザワーはそのままパン生地作りに使用するので、パン作り用のボールを使います。 全てを混ぜたら、表面に薄くライ麦粉を振って暖かい場所に置きます。 私は、ぬるめの湯たんぽを近くにおいて覆いを被せておきました。

日曜日 9:00→11:30  TA220柔らかめ
・グルトンザワー 120g
・ライ麦全粒粉  150g
・ぬるま湯    190g










フォルザワーが完成しました。
出来あがりの見極めは、生地がふっくらと膨らんで、表面がひび割れていること。 今日作ろうと思っている、ライ麦100%のフォルコーンブロートに必要なフォルザワーは345g。 フォルザワーが115g残りました。これは次回のパン作りのためのアンシュテルグートです。 繋いでいくため、毎回いくらかフォルザワーは残るようにします。

グルントザワー作り、フォルザワー作りで使った粉と水の量を計算してみると、
パン作り用の345gの中には、ライ麦全粒粉160g + 水185g
アンシュテルグートの中には、ライ麦全粒粉55g + 水60g
が入っていることが分かります。 次回のパン作りに計算しやすいように、そして、柔らかいよりもむしろ固めの方がザワータイクは 長持ちしますので、アンシュテルグートには、5gライ麦全粒粉を加えてTA200 にした状態でガラス瓶などに入れ、 しっかり蓋をして、冷蔵庫に保存します。このままの状態で2週間まで保存できます。
すぐに使わない場合は6ヶ月まで冷凍保存することもできます。

ドイツパン工房
Roggenvollkornbrot  ライ麦100パン