クネーデル/クヌーデル

Kartoffelknödel halb/halb

ド イツ料理の代表的な付け合せの一つが、モチモチ食感の巨大ニョッキという感じのじゃが芋団子、クネーデル(クヌーデル、クローセ)で す。 写真のようにグラーシュなどの汁物やお料理のソースに絡めていただくとすごく美味しいです。チェコに親戚が沢山いるという、ダンナ同僚の スイス人が「お料理のソースがお皿に余ったらクネーデルをもう1個取る。そうすると今度はソースが足りなくなってくる。クネーデルを 食べ切るためにソースを取る。そうしたら、今度は・・・と、クネーデルを食べ始めると止まらないというお話がチェコにはあるよ。」と言って いましたが、実にその通りで笑ってしまいました。

クネーデルには、今回ご紹介するようにじゃが芋で作るものの他、古いパンで作るものもあります。で も、どちらも 見た目からは想像できないぐらい本当に難しいお料理で、これを上手に作れるドイツ人に会うと「すごーい」と感激して 作り方を聞くのですけど、本人達が簡単に説明するとおりに作ってみて、上手に作れた試しがありません。ドイツに住んでいるのであれば、 手作りの味には到底敵いませんが、クネーデルで有名なPfanniのインスタントを買って来て茹でれば、それなりのクネーデルを 楽しむこともできるのですが、在スイスとなれば手作りするしかないので、今年は1月からかれこれ10回以上も作ってみて、そのたびに 記録を残してやっとそれなりのものが毎回作れるようになりました。

クネーデルの生地作りは、じゃが芋の質によっても出来上がりにすごく影響が出ます。私がこれまで食べ た中で 一番大きくて、美しくて、その上美味しかったクネーデルをご馳走してくださったドイツ人の奥さんが「秋のじゃが芋が一番良い」と言った とおり、秋に収穫されたじゃが芋は澱粉が豊富でクネーデル作りに適しているようです。彼女は生のじゃが芋を細かい目の おろし金でおろすそうですけど、のろのろやっているとおろしたじゃが芋が変色してくるし、私にはそこまでの根気はないので フードプロセッサーでがーっと粉砕してしまいます。でも、この粉砕具合も非常に難しく、元々のじゃが芋の硬さにも関係があるので、 いったい何秒ミキサーにかければ良いというものでもなく、目安はまさにお豆腐を作る時のように「おから」ぐらいの 粗めが良い印象です。凝り始めると止まらない難しさはありますが、出来上がりの美味しさには、苦労に余りあるものがあります。ぜひ一度お試しください♪

※ : じゃが芋は、澱粉の多い男爵系のもの(mehlig kochend)を使用します。

※ : 茹でたじゃが芋は、前日に茹でておくのが一番。茹でたてのアツアツで作ると生地が柔らかく仕上がってまとまらないので、当日に準備する場合は、粗熱を取っ て冷蔵庫でしっかり冷やしておきます。

※ : じゃが芋の質によっては、小麦粉無しでできますが、じゃが芋の量に対して10%ほど入れた方が茹でている間に生地が溶け出すのを防ぎ無難ですし、更に出 来上がりのモチモチ感が増します。

  1. 茹でじゃが芋は皮ごと茹でておきます。できれば前日用意しておきますが、その場で茹でる場合は、茹でた後、冷蔵庫で しっかり冷ま しておきます。
  2. 生のじゃが芋は皮をむいて、ミキサーにかけやすいように大雑把に角切りにして、フードプロセッサーに入れます。その 時、回りやす いように水を少々加えて、おからぐらいの粗さに粉砕します。回しすぎると、じゃが芋の目が細かすぎてトロトロになってしまい、後で残る「おから」の量が極 端に減りますので、短時間で確実に粉砕できるように、お手持ちのフードプロセッサーの容量に合わせて2回に分けるなど、いろいろ工夫をなさってください。
  3. さらし布で②を漉して絞りますが、その時に出てくる水分は捨てずにボールなどに溜めておきます。フードプロセッサー も最後水でゆ すいで、その水も漉してしまいます。水分が出なくなるまで、しっかり絞ります。
  4. ボールに③で絞ったじゃが芋のおからを入れて重量を計ります。最初の皮付きの状態の約40%の重量になっているはずです。
  5. 茹でたじゃが芋は皮を剥いて、④と同量をマッシュしてボールに加え、③で溜めておいた水を捨てて、底にたまっている 澱粉も加え て、じゃが芋重量の約10%の小麦粉、同1%の塩を加えてよくまとまるように捏ねます。
  6. タネを約80gずつに分けて(7-8個できます)、丸めます。手を水で濡らしておくと丸め易いです。
  7. 蓋のできる鍋に1%の塩を加えたお湯を沸かして、沸騰したお湯の中に静かに⑥のじゃが芋団子を落として蓋をします。 クネーデルは Gar ziehen といって沸騰する直前の温度でゆっくり茹でる方法で仕上げますので、すぐに火を弱火に落として、鍋の底に小さな気泡が見え続ける程度の温度で茹でます。時 々、蓋を取って見てみると、茹で始めて約10分で浮き上がってきます。そのまま蓋をして茹で続け、80gの場合は約40分で出来上がりですので、網杓子な どで取って保温できるような 蓋のついた容器に入れてテーブルに供します。