ピタパン

Pitta

ドイツやスイスでも最近とみに知名度の上がった中東のパンの一つ、ピタパンをご紹介します。
 中東のパンらしく、薄味で焼き色をつけずに白く仕上げることの多いパンですが、欧州でパン作りをしている私にはちょっと物足りないので、 私の好みにアレンジしたピタパン・レシピになっています。塩は普通のパンのように粉重量の2%、粉の40%は全粒粉にして風味を増し、更にしっかり焼 き色を つけているのがポイントです。生地を捏ねる以外はたいした作業もなく、オーブンを温めながら成形したら、7-8分で焼き上がってしまうので、レシピの半分 の量を夕食用に夕方 か ら作ることが 多いです。焼きあがった後は、布巾に包んでおいて、ホカホカ 温かいパンの空洞ポケットにサラダやファラフェルなどを突っ込んでいただきます。焼きたてなので、とにかく美味しいっ!
 薄くて持ち運びにも楽なので、ピクニックに持って行ってその場でサラダなどを はさんでいただいたり、バーベキューでアルミホイルに包んで温め直して(温めると老化した澱粉質が元に戻って美味しくなります)、グリルしたお肉やお 野菜を はさんでいただくのも美味しいと思います。ちなみに、半分に切ると底が浅すぎて具が入りにくいので、私はもっぱら端を切り落と す程度にして使っています。
パン作りは時間がかかってどうも・・・と思われる方にも、是非いちどお試 しいただきたいパンです。

  1. ボールに全ての材料を入れて捏ねます。ボールの中で材料がまとまってきたら、生地をテーブルの上など平らできれいな場所に出し て、 両手で生地をひっぱりながらテーブルになすりつけるように、右手を前に突き出すようにひっぱって戻して、今度は左手でひっぱって戻してを繰り返します。 みるみる弾力性にとんでくるのがわかると思います。グルテンが形成された証拠です。 捏ねる力量にもよりますが、だいたい5-10分捏ねた後、生地を丸めてみると、表面がつるっとまとまります。捏ね上がりです。
  2. 捏ねあがった生地を丸めてボールに戻し、布巾をかけて室温で約1時間休ませます。(室温21℃)
  3. 約2倍の大きさに膨らんだ②の生地を85gずつに分割して丸め、綴じ目を下にして作業台の上で約20分そのまま置いて生地の緊張 を取ります。
  4. オーブンに天板を入れたまま240℃に余熱します。その間に、全粒粉を打ち粉にして③の生地を直径14-15cmの円形に薄くの ばします。
  5. オーブンが設定温度になったら、アツアツの天板を取り出して、そこへ④の生地の上面を下にして素早く載せ、天板をオーブンの中段 にセットします。 生地の上面を下にして天板に載せるのは、作業台の上で下面になっていた方は少し水分が多くなっているので、天板にくっつく可能性があること、また水分の多 い下面を上にすることで 生地をのびやすくするためです。
  6. 4分ほど焼いた時点で、オーブンの扉を開けて片手で天板を引っ張り出しながら、ぷーっと膨らんだ生地をひっくり返します。やけど に注意してください。
  7. 全体で7-8分焼いたら出来上がり。焼きあがったピタパンは布巾に包みます。しばらくして粗熱が取れたら上からゆっくり押して平 らにします。薄いパンで乾燥しやすいですし、 布巾で保温もできますので、温かいうちは布巾に包んだままテーブルに供すと良いです。残ったパンはビニール袋に入れて保存します。もちろんこのパンも冷凍 できます。 冷めたピタパン、冷凍後自然解凍したパンを美味しく食べるには、表面を少し水で濡らして240℃のオーブンで3分ほど温め直すと良いです。

ぷーっとキレイに膨らませるコツは、オーブンの余熱の時に天板も一緒にしっかりアツ アツにしておくこと。下からの強力な熱で、生地内の空気が 一気に膨張して上側の生地を押し上げるわけですが、上からと下からの熱の差が多いと、上下の生地の厚さに差が出ます。上からも熱がしっかり当たる ように、 天板をオーブンに戻す時に上段に入れるようにして、更に熱風機能を併用するとキレイに上下均等にできるのですが、ちょっと面倒なので私はその辺のとこ ろは目をつぶって 仕上げてしまうんですが、この技をきかせてキレイに仕上げた写真もご披露しておきます。ご参考になさってみてください。


cakさんが、オーブントースターでピタパンを作る方法をご紹介してくださっています。 日本にお住まいの方の場合、オーブンを使うよりずっと気軽に作れそうですし、トースターの場合には冷たい天板に載せて焼くと、上下の皮の厚みも キレイに均等にできるそうです。素晴らしい情報だと思います。
cakさん、ご連絡およびリンクへのご快諾ありがとうございました。
「幸 福貯金」 全粒粉を40%使ったピタパン(10/12)