ツップフクーヘン

Russischer Zupfkuchen
ロシア風ツップフクーヘン

このページは、「ケーゼクーヘン」の 続きです。

ツップフクーヘン

 ケーゼクーヘン(ドイツのチーズケーキ)のビスケッ ト生地の部分を ココア味にして、ケーキの表面にも生地の破片を散らして焼いたケーキを、ロシア風ツップフクーヘンと言います。 ベルリンではとても一般的に売られているケーキでしたが、南ドイツの義父母の辺りなどでは全然見かけません。でも、Dr Oetkerという製菓材料の大手が 混ぜるだけのケーキミックスの一つとして、「ロシア風ツップフクーヘン」も販売しているので、知名度はあるケーキだと思います。

 チーズケーキとココア生地って、合うの?と思われるかもしれませんが、これが合うんです!ケーゼクー ヘンのようにレモン汁 を入れて 爽やかにしたりせず、代わりに蜂蜜を入れて、香りも味も甘く仕上げるのですけど、すごく美味しいんですよ。

 ツップフクーヘンは、「ツップフェン(zupfen 摘む)」という名前のとおり、表面のココア生地 は、「ただ手でちぎっ て載せるだ け」というのが本来の作り方ですが、ここでは、小さなクッキー型で型抜きして、可愛く飾って載せてみました。 掲示板でも話題になりましたが、アルファベットの型抜きでお誕生日のメッセージなどを載せて焼いても楽しいでしょう。是非一度お試しください♪

※ : クヴァーク(クワルク)は、Magerquarkという低脂肪(10%以下)のものを使用しています。ドイツの Schichtkäseという更に固めのクヴァークでも構いません。

※ : 「プリンの素(Puddingpulver)」と直訳しましたが、日本のプリンとは少し違って、「ブランマンジェの素」と言った方が良いような、カスター ドクリームを固めたようなものを 作るための粉で、 製菓材料売り場には必ずありますし、実際、工房でも日常的に使われているものです。これは、砂糖、コーンスターチ、香料がミックスしてある粉で、 だいたいどのメーカーのものでも、プリンの素一袋と500mlの牛乳を混ぜて火にかけて「プディング」を作ることになっています。稀にですが、砂糖は自分 で追加しなければ いけないものがあるので、使用説明をよく読んで、その場合はレシピに分量の砂糖を追加してください。ちなみに、私がよく使用するのは、Dr. Oetkerとミグロの商品です。※: 「プリンの素」がない場合
砂糖20g、コーンスターチ20g、卵黄1個、バニラエッセンス少々で代用してください。

※: 「プリンの素」がない場合

砂糖20g、コーンスターチ20g、卵黄1個、バニラエッセンス少々で代用してください。

  1. ビスケット生地を作ります。ボールに室温に戻したバター、砂糖、塩を入れてよく捏ね合わせ、卵1/2個を加えて滑ら かになった ら、 小麦粉、ココア、ベーキングパウダーを一気に加えて軽く 捏ねます。 だいたいまとまったところで、タッパー等フタのできる容器に入れて、涼しいところに一晩おきます。 これは、砂糖をきちんと溶かすためなので、すぐに焼きたい方は、粉砂糖で生地を作ってください。 残った卵は、フィリングに使うので清潔に扱い、タッパーなどに入れて冷蔵庫で保存します。
  2. ケーキの表面に飾るビスケット生地を型抜きします。薄く打ち粉をした台の上に①の生地を2-3mmにのばして、ケー キの表面が飾 れる分だけお好きな型で型抜きし、 薄く打ち粉をしたお皿の上などに置いて、冷蔵庫で冷やしておきます。
  3. ケーキの底の部分にあたるビスケット生地を焼きます。私の持っている型では、くっつくことは滅多にないのでそのまま 生地をのばす のですが、心配な方は、ケーキ型の底の部分にくっつかないようにバターを塗り、①の生地の残りの約半分をのばし、フォークで沢山穴をあけて、200℃で約 10 分、薄く焼き色が付くまで空焼きします。(この後のオーブンの余熱でバターと蜂蜜を溶かしておくと良いです。)
  4. ②で焼いた底の部分が冷めたら、ケーキ型の側面の部分を取り付けて、残った①の生地を4等分にし、棒状にのばして側 面(1/4) に貼り付け、底の部分から隙間のできないように高さ4cmに指でのばします。同じようにして、ぐるりと側面全体に4cmの高さのビスケット生地の壁を作っ て ください。最後にヘラなどで一番上を平らにならすとキレイです。
  5. 清潔なボールに卵白3個分と砂糖を入れて、角が立つまでしっかり泡立てます。
  6. 別のボールに、クヴァーク、卵黄3個分、砂糖、①の残りの卵1/2個分を 入れてよくかき混ぜます(泡だて器は⑤で使用したもので構いません)。きれいに混ざったら、牛乳、プリンの素を加えて混ぜ、最後に粗熱の取れた溶かしバ ターと蜂蜜を加えてよくかき混ぜます。
  7. ⑥のタネに⑤のメレンゲを2回に分けて加え、ムラの残らないようにしっかり混ぜます。
  8. ビスケット生地の敷いてある型に、⑦のタネを流し込んで表面を平らにならし、②で型抜きしておいたビスケット生地を そっと載せま す。
  9. 余熱したオーブンの下段で、最初は200℃で20分、その後170℃に下げて40分、全体で約1時間焼きます。生地 が膨ら みすぎている時、生地の中では水分が沸騰してその蒸気によって、せっかく固まった卵白の組織が壊され始めています。そのまま焼き続けると、出来上がった ケーキは嵩が落ちくぼみ、食感もボソボソした感じになってしまうので、焼いている途中で一旦オーブンから出すという作業をします。だいたい、焼き始めて 30-35分ごろ、写真のように型から飛び出すぐらい大きく膨らんできますので、静かに一旦オーブンから出して、約4分間生地が平らに戻るまで待って再び オーブンに戻します。その後また10分ほどしたら同じ作業をもう一度します。全体で1時間焼いたら、オーブンから出して静かにそのまま冷まします。
  10. ケーキがしっかり冷めたら型から出してできあがり。