ザワークラウト

Sauerkraut 

ドイツを訪問する観光客が必ず一度は口にすると思われる、ソーセージやカスラーなどの 塩味の強い豚肉の加工品は、さすが本場だけあって美味しいですよね。そして、レストランで こういうお料理を注文すると必ずと言っていいほど一緒についてくるのが、ザワークラウト。日本語では 「酢漬けキャベツ」と訳されることが多いと思いますが、実際は酢に漬かったピクルスではなくて、 これは立派な発酵食品。千切りキャベツに塩を揉み込んで発酵させて酸味を出しているんです。 ドイツに住んで一年目の頃、学校の図書館で本を借りて、私も自分で一ヶ月ぐらいかけて作ってみたことがあります。 ちゃんと発酵しましたけど、とっても酸っぱくって、手作りしたからって特別美味しいわけじゃなくてガッカリしてしまいました。
 ドイツやスイスのスーパーで袋や缶に入って売られているザワークラウトも、特に「味付け」と表記されている もの以外は、だいたいが酸っぱいだけのもので、私はちょっと苦手です。レストランのように美味しく食べるには、 玉ねぎやラードやブイヨンで調理しなければいけないので、「そんな手間をかけるんだったら」と思って ロートコール(紫キャベツを使った甘めのザワークラウトのようなもの。よく鴨料理に添えられます。)の レシピを参考に作るようになったのが、この私流の即席ザワークラウトもどきです。自分で言うのもなんですけど、 適当な酸味と甘さに仕上げるので、とっても食べ易いですよ。在欧の方でも、私のように 「スーパーで売ってるザワークラウトが ちょっと苦手だな」 と思われてる方は一度試してみてください。

※ : ジュニパー・ベリー(Wacholderbeeren)は、木のような香りのする黒い粒状のスパイスで、よくザワークラウトの香り付けに使われますが、な ければ省略して構いません。クローブ(Nelken)を一つ入れても良いと思いますし、キャラウェイ(Kümmel)を少し加えるの も、オーストリア風で 良いと思います。

  1. キャベツを芯ごと千切りにして、あまり口の広すぎない容器に入れ、塩を振りかけて、すりこ木などで 数分間しんなりするまで叩きます。
  2. 蓋のできる鍋にバターを溶かして玉ねぎを塩と炒めます。
  3. 玉ねぎがしんなりしたら、①のキャベツを加えて少し炒め、鍋が熱くなったところで、その他の調味料を 全て加えて蓋をし、中火でコトコトと汁気が少なくなるまで時々かき混ぜながら30-40分煮たら出来上がりです。

※ : 今回はカスラー(400g)という塩漬け豚とマッシュド・ポテトと一緒に頂きました。カスラーは茹でて頂いても良いですし、 洗って、キッチンタオルなどで水気を取り、アルミホイルに包んでオーブンの中でゆっくり火を通したりします。 私はアルミホイルには包まず、焼き豚のように蜂蜜を少しのお醤油とお酒でのばしたものを薄く塗って180℃で45分焼きました。マスタードを添えて召し上 がれ。