いちごムース

Erdbeermousse

このページは、欧州キッチン「ルバーブ・ ムース」の続きです。

 日本でイチゴの季節というと、4-5月というイメージですが、ドイツやスイスでこの時期に店頭にあるのは、 イタリアやスペインなど南欧から来た、水っぽくて味の薄いイチゴばかりで、特売になっている時でさえ売れ行きは悪そうな印象です。本場はきっともっと美味 しいイチゴを召し上がってられるんでしょうけど、輸送のために青いまま収穫したりしてるんでしょうねぇ。そして、 本格的に地元産の露地物が登場するのは、 6月-7月。この時期のイチゴは、真っ赤で甘いものが多いです。

 ルバーブの旬が終ったら、次はこのイチゴでムースを作ります。イチゴだけだと、出来上がりの味がぼんやりしてしまうのです が、レモン汁を入れることで、味がすっきりして、さらにハッキリします。いつものことながら、私のムースレシピには生卵は入らず、マスカルポーネでコクを 出しています。春色のリッチな味わいのムース、是非おためしく ださい。


※ : ドイツで売られている粉ゼラチン1袋(9g)「500gの液体を固めます」という但し書きが書いてあります。このレシピで、私は だいたい2/3 袋 使っています。かなり柔らかい仕上がりなので、ぷるっと固めの方がお好きな方は少し量を増やしてください。

※ : ミグロ売られている板ゼラチンには「6枚で500gの液体を固めます」という但し書きが書いてありますが、ドイツで買った粉ゼラチンの ように単純計算でこのレシピで4枚使うと非常に固く仕上がります。3枚弱でちょうど良い印象でした。

  1. ゼラチンを水でふやかしておき、できればマスカルポーネをしばらく冷凍庫で冷やしておきます。(カチンコチンに凍らせるのではな く、ただ冷蔵庫より 冷たくしておきたいからです。)
  2. イチゴはへたを取って粗いみじん切りにし、砂糖とレモン汁を加えて中火で柔らかくなるまで10分ほど煮ます。
  3. その間に生クリームを8分立てに泡立てます。粉砂糖と書いてるのは、一般に欧州の砂糖はグラニュー糖で溶けにくいからです。上白 糖で構いません。
  4. イチゴがすっかり柔らかく煮えたようなら、ムースの表面を飾る寒天をピンクに染めるのに使うため、寒天液を煮る予定の小鍋にイチ ゴの煮汁を大匙1だけ取っておきます。
  5. イチゴの鍋は火から下ろして、ゼラチンを加えて泡だて器(生クリームに使ったもので構いません)でよくか き混ぜます。柔らかく煮えたイチゴの実は、は ほろほろと小さく崩れるので、これでピュレ状になります。
  6. そこへ、冷えたマスカルポーネを入れて泡だて器でよくかき混ぜます。これでかなりピュレの温度は下がります。まだ温かいような ら、もう少し待つか、鍋底を水で冷やします。
  7. 8分立ての生クリームの中へ熱の取れたピュレを入れて、泡だて器でよく混ぜ、ティーカップなどの 型に5等分に注いで冷蔵庫で冷やし固めます。
  8. 1時間ほどしてムースが固まったようなら、④でイチゴの煮汁を取り分けておいた小鍋に水、砂糖、粉寒天を入れて混ぜてから火にか け、混ぜながら1分程沸騰させたら火から下ろします。寒天の粗熱が取れたら、まずはイチゴをムースの表面において、刷毛で寒天を塗っていきます。その後、 残りの寒天を5等分になるようにカップに注ぎながら、カップをぐるりと回して表面全体に膜を張るように流したら出来上がりです。この作業はノロノロ やっていると、寒天が固まってきてしまいますので、手早くやってくださいね。