☆X’mas ☆ シュトレン

Stollen

ドイツのクリスマスと言えば、シュトレン。

バターなど油分の割合のとっても大きい重たいケーキです。 シュトレンと一口に言っても種類がたくさんあり、さらに材料の配合の仕方で味も舌触りもどんどん変わってきます。 各家庭、各店にそれぞれの味があります。

シュトレンと言えば、ドレスナーシュトレンと言われるぐらいに、本場は旧東ドイツの「ドレスデン」という街ということに なっています。 そして、EUの法律で「ドレスナーシュトレン」という呼称が保護されているので、 ドレスデン以外の場所で作られたシュトレンを「ドレスナーシュトレン」と呼んで販売することは禁止されています。 消費者保護のため、「シュトレン・ナーハ・ドレスナー・アート(ドレスデン風シュトレン)」という、紛らわしい表現も厳禁です。

  1. 作業前日にする準備
    ドライフルーツ&ナッツをラム酒と混ぜておくのですが、以下のような下処理をします。
    レーズンはお湯でさっと洗って、ざるの上などで水切りしておきます。
    オレンジピール&レモンピールは小さい方が美味しいと思うので、さいころ状に切ってあるものでも更に包丁などで刻んでおきます。 (ラム酒がない場合は、梅酒でも良いです。その場合は、オレンジ&レモンピールの代わりに梅を刻んで入れても美味しいです。 日本ではドイツのシュトレンの具を英国のミンスミートのように漬け込むと思われてる方も多いようですが、本場レシピでは このように薄く香り付けをする程度で、前日に準備するのが普通です。)
  2. 当日
    小麦粉200g、牛乳120g、生イースト25gを大きめのボールに入れて、つるっとした表面の生地になるまで捏ねて布巾などで 覆いをして室温で一時間おいておきます。 (ちなみにうちのキッチンの室温は21℃です。)
    その間に、バターは室温に戻して柔らかくしておき、シュトレンスパイスを小麦粉と混ぜておきます。
  3. バター分量の1/3をふわ~と膨らんだ②と無理やり混ぜて馴染んできたところで、 小麦粉250g、牛乳50g、砂糖50g、塩6gを加えて捏ね、更に残りのバターを2回に分けて加えて、生地に馴染むまで捏ねます。 布巾などで覆いをして、30分室温で生地を休ませます。
  4. ①で前日準備したフルーツ類を③に混ぜます。 この時あまり長く捏ねていると、フルーツが潰れて生地が汚れたり、生地が破れて成形しずらくなります。
  5. 生地を300gずつ4個に分割します。 300gで可愛らしい小さいサイズのシュトレンができるのですが、ドイツ人に贈り物をするつもりなら、600g2個に分割した方が良いと思います。
  6. 写真のように、まず生地を丸め、次に細長くし、両端部分は太めにするように麺棒でのばし、太めの両端をずらして重ね るように折り ます。 最後に、重ねた両端部分の反対側を麺棒でぎゅーっと押します。
  7. シートを敷いた天板に並べて15分~20分ほど置いておき、200℃に熱したオーブンで30~35分焼きます。 600gの場合は200℃で40分ぐらいです。
  8. 焼きあがったら、シュトレンの表面に飛び出して来て黒く焦げているレーズンを全部ナイフで取り除きます。 食べる時に苦味の原因になりますので、しっかり取り除いてください。そして、シュトレンがまだ温かいうちに、表面全体に溶かしバターをたっぷり塗ります。 (この工程、工房では溶かしバターの中にどっぷんっ!と浸してしまったりするんですよ。) バターを塗ったらすぐに、グラニュー糖をまぶします。
  9. 翌日
    茶漉しなどで表面に粉砂糖をふってアルミホイルに包んで保存します。 私は一週間ぐらいは置いておくのが普通だと思っていたのですが、教科書によると、作って3日目から美味しくいただけるそうです。 シュトレンは長持ちするケーキで常温で3ヶ月ぐらい持つものも多いらしいのですが、私のレシピはButterstollen(ブッターシュトレン)に近い ぐらい バターの分量が多いもので、Butterstollenの賞味期限は1ヶ月ということなので、それぐらいの目安で食べ切ってください。 シュトレンは冷凍することもできます。

少し改良バージョン
焼いた後に処分する黒こげレーズンの量って半端じゃないですよね? レーズンが焦げないようにするには、④でフルーツを混ぜる前に少しだけ生地を取り分けておいて、フルーツ生地の表面を覆います。

* 丸く成形する時に表面に薄く延ばした生地を被せて、生地が破けないように少し時間をかけて緊張を取りながら成形していきます。
* ⑥で生地を延ばした後、裏返して、フルーツが見える部分が折りたたんだ時に内側にくるようにします。 焼き上がりはコッペパンみたいで、なんだか少し興ざめな気もしますが、砂糖をつけてしまえば普段と変わりません。