6:怒り爆発プ○ダものがたり

1999年9月
場所: ベルリンのプ○ダ店内 
犯人: 店員
被害者: みちえの友人

その日、私の友人(友人ってことでゆうこちゃんとしておきましょう。)は、プ○ダのお店へ妹さんへの贈り物を買いに出かけました。 いつもは、イタリア人の店員さんが愛想良く接してくれるらしいのですが、 その日に限って、馴染みのイタリア人店員さんがいなかったのだそうです。
そう、そこで店番をしていたのが、この物語りを引き起こした張本人!!
ゆうこちゃんは、最初から買うものを決めていました。それは黒いお財布。 でも、ショーケースには、黒がちょうどありませんでした。

ゆうこ : 「黒いのが欲しいんですけど、在庫はないんですか?」
店員 : 「ありません。」
ゆうこ : 「ありません・・・って。あるかどうか在庫をみてくれないんですか?」
店員 : 「ないのよ。ありません。」
ゆうこ : 「それでは、取り寄せていただけませんか?」
店員 : 「取り寄せ?そんなものできないわ。」

ゆうこちゃんは、お得意様。
勝手知ったる他人の小さな店。
そのお財布に黒い種類があるのは知っているし、在庫の棚は目の前にあることも知っている。
「その目の前の棚の中だけでもチェックしてよ。」
と何度か尋ねると、やっと重い腰をあげて店員は棚を開けました。

店員 :「あ、あったわ。」
(ゆうこちゃんの心の言葉「でた!まただよ。」)
ゆうこ : 「それ、プレゼントにしたいから包装してくださる?」
店員はあからさまに面倒だという態度を示しながらも、商品を持って店の奥へとひっこんで行きました。

やはり、包装なんて不得意なのかかなり時間がたってから店員が再び現れ、 ゆうこちゃんに包装済み商品を手渡しながら、こうのたまったのだと!

「はい、できたわよ。ただね・・・ 
私、値札と盗難防止のセンサーを取り外すの忘れちゃったかもしれないのよ。でもね・・・
私、こ~んなに一生懸命包んだから、もう一度包みなおすの嫌なのよね。あなた家でやってくれる?」

いくらベルリンの接客に慣れているゆうこちゃんでも、これには驚いた! ボー然としているゆうこちゃんに、その店員は
「私が見てるからセンサーは大丈夫よ。ね、くぐってみて!くぐってみて!」
と言っていたという・・・・
ショックに追い討ちをかけるようなこのセリフに、さすがのゆうこちゃんも悲しくなり無言で店を後にしました。

家に帰ってそのへったくそな包装をほどきはじめた、ゆうこちゃん。 お財布のケースを開けた時、彼女が見たものは?
値札?盗難防止センサー?
ううん、もっとすごいものよ。
なんと、お財布のうしろ姿!! 
お財布は反対向きに箱の中にしまってあったのです!

もう、ここでゆうこちゃんの怒りは爆発!!
怒りの文書をしたためた!!
ベルリン支社になんて送っても意味はない。
ベルリン人にサービスについて講義しても豚に真珠。というより、それでは豚がかわいそうだ。
そう、彼女が手紙を送った先は、ドイツ本社デュッセルドルフと総本山ミラノ!

早速、デュッセルドルフからは電話が入り、ミラノからもお詫びのお手紙も届きました。
そして、再び店を訪れたゆうこちゃんの目の前には、 ニッコニコの作り笑いを浮かべて、仰々しくサービスする彼女が現れたんだって。

2004年サイトリニューアルにあたり、ふたたび5年前の文章を読んでみて
在欧生活も5年過ぎて、少々のことではびっくりしなくなった私だけれど、これは今読んでもひどい話だと思います。 この店員はドイツ人ではなかったらしいんだけど、頭の悪い売り子がやりがちな人種差別よ、こんなの。 ショッピングやお食事など、お金払って気分悪くさせられることほど腹の立つことはないわよね、ホント。