アルザス食探訪(上)

ダンナの実家(ドイツ)から近いので、Strasbourgには何度か行ったことがあるのですが、宿泊までしてアルザス地方を見るのは 初めて。 今回はColmar周辺だけしか滞在していませんが、もっといろいろ廻って見たいと思いました。

私の興味はもちろん「食」。
どこまで続くねんっ!と思うほどのワイン畑と美味しいアルザスワイン。魚介類はほとんど見かけませんが、美味しい独仏折衷料理の数々。3日間食べて飲ん で、 ダンナは4キロ太りました。私は怖くて体重計にのっていません。明日から一生懸命お仕事して、しばらくしてから試してみます。

以下、私が行ったレストランとその感想、予算のご報告です。私はミシュランの緑色ガイドブック Der Grüne Reiseführer を頼りにいろいろ まわりました。詳しい道順とか電話番号などは本やネットで調べてください。

Auberbe de l'Ill

2004年3月10日(水)
前回のトルコ旅行が最悪だったので、今回は航空運賃がかかってないし、日数も短いということで、奮発して一泊目はミシュラン3つ星の Auberge de l’Ill (オーベルジュ・ド・リル) に泊まって夕食をとることにしました。

広い敷地と手入れの行き届いたお庭、木造の宿泊施設もとっても素敵。到着時刻にあわせて、暖炉の火がパチパチいいにおいをさせて燃えて いたり、高いお花を惜しげもなく短く切って花瓶に差していたり、まだ寒い時期だというのに各部屋のバルコニーのプランターには手入れされたパンジーが元気 に育っていたりして、小さな気配りが随所に見えます。さすがです。
ただ、ドイツ語圏と違って家の建て方がやっぱりフランスというか、こんなに高級なところ なのに 室内が寒く、素敵な浴室のタイルの張り方や扉の付け方があまかったりして、こういうところはドイツ語圏のきっちりしてるのに慣れてるため気になったりし て、せっかく旅行に来てるのに、自分の家のように「使い方」に非常に気を使ってしまいます。一泊一部屋 260ユーロ、朝食は一人27ユーロです。

レストランは、お料理はもちろんのこと、そつのないサービス、独仏英どの言葉でも大丈夫、常にとってもフレンドリーで最高でした。この カテゴリーになるとお客さんの年齢層はやはり高め、ドイツ人とフランス人が半々という感じでした。

さくらんぼジュースをシャンパンで割ったアペリティフ、口の中でとろけるようなサーモン等のアミューズを楽しみました。
<entree>レモングラスの泡が表面を覆ったレンズ豆のスープ、イラン産キャビアがた~~っぷり乗った薄いフランスパンのトースト添え
<poisson>魚料理というより、お店の自慢料理を一品ずつ。ダンナはサーモン、私は蛙。両方見た目もきれいで凝ってて美味。
<viande>ダンナは牛を注文。私はフォアグラのソテー、ビーツの上にのっててフランスのレープクーヘンのクルトンが散らしてあって、こ の味の 組み合わせが絶妙。美味しかった。
<dessert>ダンナはチーズ。ゴロゴロと素敵なワゴンで来ます。すんごい種類。私はバナナのスフレ、ルバーブ・シャーベット添え。
食後のコーヒーを頼んだら、「まだまだ終わりませんよ!」って言って小さなケーキが沢山のったお皿をテーブルに置かれ、これはお勘定に入らないサービスで した。
ワインは、ソムリエお薦めのアルザス産赤ワインにして、味はまぁ良かったんだけれど、樽のにおいらしいんだけど、そのにおいが私には非常に「納豆」でしか なく、 それが気になって味までイマイチに感じるようになってきたのは残念でした。

3時間という時間をちっとも感じさせないサービス、雰囲気を含めて、お勘定は飲み物もぜーんぶ含んで、二人で350ユーロ。体験した後 な ら安いと感じます。

Koenigsbourg

2004年3月11日(木)
Haut-Koenigsbourgというお城を見学してから、緑ミシュランに載っている農家に昼食をとりに出かけました。本にも「森の道と畑の道」とか 書いてるんだけれど、 ガタガタの壊れたアスファルトの山道をどんどん上がって行かなきゃならなくて、それがかなり延々と続くので、何度も「これ、間違ってるんちゃう?」と、 不安になりまくります。
でも、そのまま進んでいくといつしか、「レストランはこっち」という小さな立て札が立ってるんです。でもその指す方向がこれまた 「車、 ドロドロになるでっ・・・」と思うような泥道・・・。
車を汚しながら入っていくと、森の中なのにいきなり芝生が広がってて、いきなり車も沢山とまってるのっ!!! レストランの中に入っていくと、山仕事をしてるおじさん達とか、ミシュランの緑本をテーブルに置いて食事してるフランス人一家が結構いるいる。びっくりで す。 料理は、近所の農家からの材料で作っているらしく、素朴なんだけどどれも美味しく、とにかく大量。

ダンナは運転があるので水、私は大好きな Gewürztraminer(1/4リットル、4ユーロ)。このライチみたいな香りと味。美味しいーーーー!
メニューは5種類ぐらいのセットのみ。最初は、野菜やソーセージのたっぷり入ったレンズ豆のスープが大きな壷に入って出てきます。一人3皿ずつぐらい食べ られるぐらいの量です。 私はこの後、メインのソーセージやハムの沢山乗ったシュークルート。すごい量です。美味しいっ!ダンナはサラダとオムレツ、その後、鶏のオーブン煮込み。 表面がカリッと焦げてて、しかも身は柔らかく煮えてて美味しい。
デザート に すごく素朴なタルトが一人2種類ずつ出てきました。すんごいおなかいっぱいなのに美味しいので、カフェオレまで頼んで食べてしまいました。 このスープ&料理&デザートのセットメニューが12~14ユーロです。森仕事のおじさん達以外、誰が全部食べきれるのでしょうか・・・すごい量ですよ。

St. Alexis

ち なみに、ここは宿泊施設もあるらしいので、夕方着いて、ゆっくりワインも飲みながら食べてそのまま寝るのもいいかも。このお昼ご飯を食べるのにも、2時間 かかりました。とにかく、時間の感覚が違うの。おかげで、すごくリラックスできるし、スイスやドイツからこんなに近いのに、とても遠くに来たような感覚 を味わえます。

Auberge St-Alexis 68240 St-Alexis  tel: 03 8973 9038
Riquewihr(Reichenweier)から西に6キロ。山道をどんどん登ります。金曜定休。
確か11時~20時(とにかく午後の休みなし)。

Colmarの宿泊は、Hotel St.Martinという街の中心にしたんですが、ここはお薦めできません。一泊一部屋99ユーロでスタッフが変、施設も 手入れされてない感じ、朝食は一人9ユーロかかるのですが、「これだったら外のカフェで何か頼んだ方が絶対良いです」という内容とサービスです。

夕食をどこに行こうかな?とダンナと夜のコルマーをぶらぶら歩いてると、杖をついたフランス人のおじいさんが「レストラン探してるの? 私が住んでる 向かいに美味しいところがあるんだけど、どう?」と話しかけてきたので、おじいさんの後ろをついて行きました。レストランの横を通る時に窓から中を 見ると、沢山人が入っていて、おじいさんも「ほら、こんなにお客がいるのは美味しい証拠じゃない?」とか言って、「じゃ、私はこれで」とそのまま去って 行ってしまいました。ちょうど入り口のメニューを読んでる3人組がいたのですが、ダンナが「この3人より先に入ろっ」と言うので入ったら、私達で最後。 その少し後に入ってきた例の3人は予約無しということで、お引取りいただいていました。

子供連れの席あり、どこかの会社の集まりみたいなグループありとお客さんの年齢層もばらばら。とにかく賑やかで楽しい雰囲気でした。
値段はフラムクーヘンが6~7ユーロ。私はBibbeleskas(11ユーロ)を注文しました。普通はふかしたジャガイモなんだけど、この店は小さく 切って 香ばしく揚げた フレンチフライ。たっぷりのクヴァークに刻みにんにくを混ぜて、ジャガイモをこれにつけて食べます。2種類の熟成したMunsterチーズが添えてあっ て、これを 時々食べます。

アルザスワインもいろいろあります。ダンナも運転しなくていいので、1/4リットルずつ3種類飲みました。この店の Edelzwickerは、 一番料理に合ってて美味しかったです。

デザートにダンナはお酒とシャーベットを注文。私は甘いフラムクーヘン。お勘定は確か47ユーロぐらいでした。お店の名前は TAVERNE だったと思います。 場所は Fontaine Schwendi の辺りだったかな~~・・・。

アルザス食探訪(下)」に続きます。