専門用語

ドイツパン職人修業の道

このサイトをご覧の皆様の中にも、ドイツでパン修業を志される方が増えてきました。 
そこで、少しでもお力になれればと思って、私が知っている専門用語を少しずつ掲載していきたいと思います。 
というのも、私達は日本で育った外国人。 
知識のバックグラウンドが違うんです。 
言葉がわかっても、ドイツ人にとって当たり前のことが分からなかったりするんですもんね。

地域によっても呼び方が違うものが沢山あります。「私のところではこう呼びます」というものがあれば、綴り明記の上(「こう聞こえ る」っていうような曖昧なのは不可)、 掲示板かメールで私に教えてください。リストに追加していきたいと思います。

ベッカーのAB(アップ)
普通のドイツ語では、重さを計ることはただ単に「wiegen」という動詞を使うのですが、なぜかベッカー用語には ab がつきます。 その他にも ab の付く工房用動詞は沢山。 辞書を見ても載ってない単語があったら、abを外した形の動詞を調べてみてください。意味は同じです。

違和感感じるドイツの短縮語
アツビっていう言葉は、アオスツービルデンデの短縮語。 日本人の私には、なんだか違和感を感じる短縮のさせ方なんですが、皆さんはどうですか? 「じゃ、君だったらどう短縮する?」って聞かれると困るんですけどね(笑)。 ドイツでは一般的に、弟子(あなたのことよ!)を「アツビ」もしくは「レーリング」と呼びます。 ちなみにスイスでは、「シュティフト」です。

アイロン掛けは必須
日本では普通T-シャツにアイロンはかけるんでしたっけ? ドイツでは、工房で着るT-シャツにもアイロン掛けは必須。 ピシッと袖に線の入ったまっすぐなT-シャツを着て作業を始められるように準備しなければいけません。 ズボンやエプロンもしかりです。
T-シャツは白いもの。 エプロンは腰でくくる膝丈のものです。エプロンはお店で貰えることも多いですが、専門店でも買えます。 そうそう、靴下は断然日本製が長持ちで良いですし、100%持参ですから、日本から持ってくるのが一番かも。 以上、いろいろ書きましたが、作業着は100%支給の店、自腹を切らなきゃいけない店など色々ですから、まずはシェフにご相談を。

生地分割機
Teigteil- und Tellerwirkmaschine とか Aufschleifmashine と呼ばれます。 生地を30分割したり、分割した生地を更に丸める機械で、パン屋の必需品です。

オーブンに生地を入れる
家でパンを焼く時には、普通は天板の上に生地を乗せて焼きますが、 パン屋ではそれだけではなく、熱いオーブンの床に直接生地を乗せて焼くことが多くあります。 童話の挿絵などで、柄の長いスコップのようなものでパンをオーブンに出し入れしているパン屋さんをご覧になったことのある方も いらっしゃるでしょうし、パン屋さんのマークにこのようなスコップをあしらったものがあったりしますが、 電気やガスのオーブンを使うパン屋で、今だにこのようなやり方でパンを焼いているところは皆無だと思います。 用語に載せた Abziehapparat, Aufsetzapparat というのは、オーブンの奥行きと同じ長さで、幅が70cm~ぐらいの 厚い布で覆われた板のようなもので、この上に成形した生地を並べて発酵させ、焼成させる時には、 生地を乗せたままこの機械をオーブンに差しこみ、一部をオーブンの入り口の掛け金にひっかけると、 機械をオーブンから引っ張りだすと同時に布が回って、生地がオーブンの床に落ちる仕組みになっています。 この機械を使うことによって、短時間で大量にオーブンに生地を入れることができます。