1:スーパーのレジでの災難

1999年7月15日 11:21
場所: Rで始まる名前のスーパー 
犯人: Frau Hunger
被害者: みちえ

スーパーで、11マルクちょいの買い物をしたのよ。 それで、20マルクのお札と、2マルクを渡しました。
10マルク紙幣と小銭が返ってくると思って、待ってたら、小銭しか戻らない!
「ちょっと、ちょっと間違ってるよ!」 って言ったら、間違ってないって言うわけよ。12マルクもらったって。
そんで、その子が打ったレシートを私に見せて、
「ほら、12って書いてある!」
(ちょっと待ってよ!それはあんたが打ったんや!打ち間違いやろ!!!)
って私も引き下がらず、「レジ調べてよ!」って何度も言った。
(彼女は、レジ調べてみましょうとは絶対に言わなかった。ずっとレシートの預かり金額を見せるだけ)
そしたら、私の後ろに待ってたおっちゃんも、レジ調べろよ!
とか言い出してくれて、レジは騒然。

そしたら店の他の人が出てきて、「どうしたの?」って言うから その子がなんか言う前に私が全部状況説明した。そしたらその人も 早くレジストップのベルを押せって命令して、そのベルで店長の女の人も 出てきて、レジの女の子と店長でレジを調べるって言って、お金持って裏に行った。
事件発生からここまで実に15分が経過している。
(レシートの時刻が正しいなら。必死だったから私はこの時まで時計は見ていない)

少なくともそれから10分待たされて、
店長が「金額はあってた」って言うねんで。 (10マルクとかの問題でなくまず合ってなかったと思う)
あんたら、サービス業のくせに客疑うんか?!ってあの子の名前 (Frau Hunger) も聞き出して 私は絶対引き下がらないからね!って店長にすごんだら、 私(みちえ)が思い違いしてるかもしれないから、今日遣ったお金をよく考えて それでもやっぱり合わなかったら来週来て。そしたらお金あげるって言うのだ。 そして、小声で店長が聞いてきたのは、
「Frau Hunger がお金をくすねるところを見たか?」ということだった。(Frau Hungerは新人)
私は、当然ちゃんとお釣りが戻ってくると思って、彼女の手の動きなんて見てなかったし、 監視カメラでもつければ?と言っといた。そしたら、レジの不正もわかるし、私が本当に20マルク紙幣を手渡した事実も判明する。

私はもともと家計簿をちゃーんとつけている。それにその日は銀行からお金をおろしたところで、 どんな紙幣が何枚あったかはっきりしていたし、どこで物を買ったかレシートの証拠つきで証明できた。 重要なことは、もうひとつ。 この事件発生の瞬間には、私の後ろには誰もいなかった。 つまり、レジで私の差し出したお札を見たのは、Frau Hungerと私だけだ。

怒り心頭やったけどとりあえず帰って、昼ご飯のときに彼に言ったら、 ドイツはレジの人で泥棒する人多いし、来週また来いなんて ちょっとおかしすぎるわ!ってんで、ご飯の後、二人でスーパーに もう一度行って、店長からお金を返してもらった。

でも Frau Hunger から謝罪がないと私の怒りはおさまらんって店長に言ったら、 どうして彼女が謝らないといけないの?とかすっとぼけたことを言う。
もうここで私は爆発!
なんでレシートをだしにしかいい訳のできない奴のせいで私はこんな無駄な時間をすごしているのか?
彼だってこんなことしてる間に余裕で10マルク以上を稼げるのに、ここに足を運んでる理由がまだわからないの???
あなたの店はサービスっていう業種じゃないのか?
それは店と客の信用でなりたっているのではないのか?
でも、私は Frau Hungerを全く信用していない!
他の客もいっぱいいるところで、言い放った。
(わかりますか?彼女の商品の値段をセンサーにくぐらせるだけの作業に料金払ってるってことなんだから。 彼女もれっきとしたサービス業従業者なのです。レジで物を投げ捨てるように置く奴なんかもいたりして、 ほんと、頭悪いっていうか、自分の仕事の意味を理解していない。ベルリンって程度がほんとに低いです。)

店長も「まあまあ、彼女は機械じゃないんだから(間違えることもあります)。」と言ったが、
(全く物分りが悪いんやから。そんなこと分かってるっちゅーに。 人間だから間違いも一緒に解決しましょうって言えるんやろー。こんなんやったら全部機械化してくれ!)

(反省点: もう少しドイツ語勉強せなあかん。私のごちゃごちゃ言ってたこと、そのつもりはなかったけど、彼によると 時には脅しととられかねない言い方をしてたらしい。裁判になったらそのこと言われちゃうそうだ。)

そしたら、やっと彼女に電話させるとか言い出した。
直接謝ってほしいけど、もうこの店で二度と物買う気ないし、手紙にしてって頼んだ。

どう思われますか?私が実は本当は思い違いで10マルク渡したんではないのか?って思う人もいると思う。 私もその場で待ってる間も、その後も何度も考えた。でも私は本当に20マルク紙幣を渡した。100パーセント言い切れます! 無実の罪で捕まった人がやってないのに、尋問中に「やった」と答えてしまう心境が本当にわかりました。 何度も何度も考えているうちに、自分が間違ってたのかもしれない・・・なんていう考えも出てきて、財布を開けて、レシートと 記憶を辿って、やっぱり私は合ってると納得する状況がその日は幾回もありました。 本当に恐ろしいことです。
Frau Hungerがお金を取ったかどうかはわかりません。でも彼女はオカシイと思うことを一緒に解決しようとせず、 私(客)が一方的に間違っているという態度を取りつづけたのです。彼女も相手が悪かったね、やっぱりバカ。 それにしても、こんなバカ野郎のせいでその日一日の気分は台無しです。 エミールのように自分のお札に全部、針で穴でも空けておこうかと思ってしまいました。

1999年8月19日 スーパーの店長から謝罪の手紙が届きました。
「みちえ様、
あなたが、私たちのスーパーで不親切な対応を受けられたことを深く謝罪いたします。お客様に正確に心のこもった対応をするのは、私たちに とって当然のことです。
私たちは、この件を機会ととらえ、従業員全員にもういちど、正確さとサービスについて再教育をいたしました。残念ながら、彼女が謝罪の手紙を書くことは不 可能です。なぜなら、彼女はもうこのスーパーで働いていないからです。
謝罪として、商品券を同封します。
あなたが、再び私たちのお客様となってくれることを心よりお待ち申し上げております。」

ということで、私は30マルクの商品券をもらいました。これを遣うためにまたあのスーパーへ行こうと思います。 私は、あれから全くあのスーパーで買い物してませんでした。 謝罪をもらったということで、最初公開していたお店の名前と店長名はふせることにします。 私も、この事件のことは忘れよう(もうほとんど忘れてたけど)と思いますけど、日本人の皆様が外国で不当に高い料金を請求されたりした時、 これを思い出して、強く抗議して損をさせられない勇気を持たれることを心より祈っております。

2004年サイトリニューアルにあたり、ふたたび5年前の文章を読んでみて

いったいどういうブロークンに砕けまくったドイツ語でこれだけ主張してたのか、自分でもなぞ(笑)
10マルクにこれだけこだわれた自分にも驚き(笑)
当時、家計簿をちゃんとつけてたって事実にもまた驚き(笑)
でも、ドイツに来たてでよくがんばった!と自分でも思いますね。こうやって、疑い深く強く成長していくんですなぁ。今の私だったらFrau Hungerぐらい さっさとあしらえそうだけど、それもまたコワイわね。