発芽ライ麦パン

Roggenkeimbrot  

このページは「バックフェルメントの起し方」の 続きです。

ドイツで時々見かける、穀物を粒のまま生地に加えたパンで す。 穀物は発芽する時にビタミンを数倍に増やす力があるので、「発芽させてから生地に混ぜ込む」 というのは、ベルリンの職場で教わったことなのですけれど、数年自分でいろいろ作っているうちに、ライ麦は生地に混ぜ込む前に 炊いた方が弾力性が出てプチプチした食感がより一層はっきり分かるし、何より柔らかく食べやすく仕上がることがわかりました。 特に変わった材料を加える訳ではないのに一風変わった味わいと食感が楽しい発芽ライ麦パン、是非お試しください。

  1. ライ麦粒100gとぬるま湯100gを蓋のできるビンに入れて、暖かいところに丸一日置いておきます。 時々ビンを振ったりして全体に水分が行き渡るようにしておくと、小さな芽が出てきます。
  2. ボールにバックフェルメント元種、ぬるま湯、ライ麦全粒粉を入れてスプーンなどでよく混ぜ、暖かいところで約3時間発酵させま す。私は電源の入っていないオーブンの庫内に湯たんぽを置いて醗酵室を作っています。(庫内温度 約35℃) 暖かい場所で約3時間、体積が2倍になるま で発酵させます。出来あがりの見極めは、生地がふっくらと膨らんで、表面がひび割れていること。
  3. バックフェルメントを発酵させている間に、発芽したライ麦粒の入ったビンの中身と水50gを鍋に入れ、 蓋をして中火でライ麦粒を炊きます。表面の水分が見えなくなったら火を止めて蒸らし、冷ましておきます。
  4. ②の生地がふっくら発酵したら、ボールの中に、残りの材料を加えて10分ほど捏ねます。 ライ麦の比率が多いのでベタベタした扱い難い生地ですが、捏ねているうちに弾力性が出てきます。
  5. 捏ねあがったら、③の炊いたライ麦粒を生地に混ぜ込んで、暖かい場所で20分生地を休ませます。
  6. 生地を休ませている間に、型に油を塗っておきます。
  7. 打ち粉をした台の上で生地を丸めて、綴じ目を下にして型に入れます。ライ麦生地の成形に慣れていない方は、ヘラなどを使って生地 を型にいれ、表面を水でぬらしたヘラか手で押し て平らにします。
  8. 暖かい場所で約1時間、体積が1.5倍以上になって表面に小さな穴がちらほら見えるまで発酵させます。私はここでも湯たんぽを 使って温度35℃ の 環境を作って発酵させています。
  9. 生地の表面を霧吹きで濡らしてから、230℃のオーブンで最初は20分、200℃に下げて30分(全体で50分)焼きます。 パンを型から出して、底を叩いてみて軽い音がしたら出来あがり。網などにのせて冷まします。

バックフェルメントの継ぎ方
元種が少なくなったら、粉と水を 足してバックフェルメントを継いで10倍に増やすことができます。

元種を作る時と同じく全ての材料をよく混ぜたら、室温(最低20℃)で12~18時間発酵させます。 体積が2倍ほどに増えて大きな気泡がたくさん見えるようになったら出来上がり。蓋をして冷蔵庫で保存します。バックフェルメント自体安いものですし、何度 も何度も種継ぎをしていくと雑菌の入り込む危険性も増えるので、私はこうやって一度10倍にした後は元種は使い切って、次はまた一から種を起こし直すよう にしています。