パーティーブロート

Partybrot 

ドイツやスイスのパン工房で、週末や祝日前などによく注文が入って作るのがパーティーブロートで す。
小さなものから、どんな大人数のパーティーなの?というような両手で抱えるぐらい大きなものの注文まであります。パン生地を小さく分割して、円形になるよ うにくっつけて焼いたもので、スイスでは粉が ふってあるだけの場合が多いですが、 ドイツでは写真のように、ケシ、ごま、ひまわりの種、カボチャの種、粗ひき全粒粉(小麦、ライ麦、蕎麦粉)、キャラウェイシード、亜麻の実などが賑やかに トッピング してあるものが普通です。お客様から特に指定がない場合は、ドイツではライ麦の少し混ざった暗い生地で作ることが多く、スイスでは Ruchmehlという暗い色の小麦粉(ドイツの小麦粉タイプ1050と1600の間)で作るのが普通です。パーティーの際、各自が手でちぎってお皿に取 ることが できて便利だし、見栄えのする素敵な演出の一役になります。
写真はライ麦粉の混ざった生地で作ったものですが、ここでは簡単にブレーッチェン生地を使ってパーティーブロートを 作る方法をご紹介します。ちなみに、ライ麦粉を混ぜたい場合は、ライ麦粉は最大でも粉重量の50%を越えないようにしてください。 生地が横にだれてしまっては、せっかくの見た目が台無しになってしまいますから。

  1. 全部の材料をボールに入れて、よく捏ねます。 ボールの中で材料がまとまってきたら、生地はテーブルの上など平らできれいな場所に出して、両手で生地をひっぱりながらテーブルになすりつけるように、 右手を前に突き出すようにひっぱって戻して、今度は左手でひっぱって戻してを繰り返します。 みるみる弾力性にとんでくるのがわかると思います。グルテンが形成された証拠です。
  2. 捏ねる力量にもよりますが、だいたい5~10分捏ねた後、生地を丸めてみて、 表面がつるっとまとまるまで捏ねます。その時の生地の温度が28℃だったら最高だと言われています。
  3. 20分~30分覆いをして生地を休ませます。
  4. ガス抜きをし、生地を各25g~30gに分けて手の平で丸めて作業台に並べますが、この時点ではまだ 円形に並べなくて結構です。
    工房では分割機(生地を30等分して 丸める機械)を使うこともあり、上記のように15個、20個、30個とキリの良い数で作るのが普通です。このレシピでは20個に 分けると一番具合が良いのですが、並べた場合、19個の方がキレイな円形になるので、私は19個で作ることが多いです。 お客様の人数やお好みで分割の仕方は調整してください。
  5. 小皿などにトッピングしたいものを用意しておき、生地の表面に刷毛で水をつけ、湿った表面をトッピングに ギュっと押し付けてからシートを敷いた天板の上に円形になるように並べていきます。膨らむことを考えて、隣の 生地とわずかにぶつかる程度に置いていきますが、あまり距離を置くと焼き上がった時に大きな溝ができて、それはそれで美しくありません。
  6. 生地が1.5倍ぐらいに膨らんで、隣の生地ときれいに繋がるまで覆いをして室温で発酵させます。(室温21℃で60分でした)
  7. オーブンを230℃に熱し、天板を中に入れる前に霧吹きでパン生地表面を水で湿らせます。最初の10分は230℃、その後 200℃に温度を下げて全体で30分~35分、キレイな焼き色がつくまで焼いたら出来上がりです。
美味しく仕上 げる コツ
応用編: バジルパン
同じ生地でもう一品: 
フランス風薄焼きピザ フラムクーヘン/タルト・フランベ
甘い生地のパーティーブロート: 葡萄の形のレーズンパン