私は子供の頃から、杏仁の香りが大好きでした。もちろん、当時は何の香りなのかわかっていませんでしたが。でも、あんみつ の缶詰 の中に 入っている白い寒天だけは、なにか良い香りがしていて、その香りが好きだということは確かでした。
ドイツに来て、マジパンの入ったものを口にすることが増え、自分もパン工房で働くようになって、あの香りの正体が分かりま した。もちろん、 マジパンの香りははアーモンドから、杏仁豆腐の香りは、読んで字のごとく、杏(あんず)の種の仁(じん)からですが。
それが分かってからは、ビターアーモンド・エッセンスを使ってドイツでも杏仁豆腐を作りはじめ、それはそれで気に入ってい たのですが、去年初めて「杏仁霜」を 分けて貰ったので使ってみましたら、もっと優しい味で美味しい!ということが分かり、今年は日本に帰省した時に自分でも購入してきて、冷凍庫で保存してい ます。
香りの部分だけは 変わりましたが、基本的に私の杏仁豆腐レシピはずーっと同じ。長く気に入っているものなので、どちらのレシピもご紹介したいと思います。また、アジア料理 のコースメニューでヨーロッパの方を おもてなしする時には、フルーツ缶ではなくてフレッシュなフルーツでお酒入りのソースをかけています。なかなか大人の味で美味しいのでお薦めです。ぜひ一 度お試しください。
※: 寒天はドイツ語で、Agar-Agarと言います。私は「かんてんクック(伊那食品工業)」を使っています。スティック1本(4g入り)で500mlの液 体を固まらせるというものです。ドイツのBIOのお店で買ったAgar-Agar粉末も同じ使い方で問題ありませんでした。ただ、ミグロで売られているも のは、私は使用したことはありませんが、確か8g入りの袋で500ml用とか。原材料にもグルコースシロップとも書かれていますし、すでに甘いのかもしれ ません。よく確認してからご使用ください。
※ : フルーツは旬のもので結構です。今回私は苺、オレンジ、グレープフルーツで作りました。
- 杏仁霜は少量のお湯で溶いておきます。
- 鍋に牛乳、砂糖、粉寒天を入れて火にかけ、かき混ぜながら2分ほど沸騰させ溶かします。
- 杏仁霜を加えてひと煮立ちしたら火からおろして、器に流し込み、冷やし固めます。
- フルーツを大きめのみじん切りにして、コアントローとメープルシロップであえて同じく冷やしておき、食べる時に杏仁 豆腐にかけて召し上がれ。
※ : アーモンドエッセンスは、Dr.OetkerのBittermandel Aromaを使用しています。
- 鍋に牛乳、砂糖、粉寒天を入れて火にかけ、かき混ぜながら2分ほど沸騰させ溶かします。
- 火からおろしてアーモンドエッセンスを加えて混ぜます。この時の香りはかなり強く「大丈夫かな?」と思われると思い ますが、大丈夫です!これぐらい入れないと後で食べる時に香りが残りません。
- 底面積の大きな器に流し込み、冷やし固めます。
- 2cm幅ぐらいのひし形に切り目を入れ、シロップとフルーツをかけ、ヘラで軽くやさしく混ぜます。