クレープ・シュゼット

Crêpes Suzette 

私が昔バイトしていたホテルの名物デザートが、このクレープ・シュゼットでした。お客様の目の前で作られるのですけど、 これが始まるとフルーティーな甘い香りがフロア全体に立ち込めて、見てるだけの私まで「美味しそう~」とうっとりしては、最後のフランベで毎回「おぉ ~!」と感動していたものでした。
 当時のホテルのレシピは、私はもちろん知りませんでしたが、作り方は見ていて何となく知っていたので、ベルリン在住時にはよくデザートとして 作っていました。 とは言っても、私の作り方というのが、またもや「簡易版」と言うのもはばかられるような「手抜き版」。デジタルのキッチン計りをまだ持っていなかったの で、匙や計 量カップで作れる唯一の 「見た目」豪華なデザートだった、というのも、よく作っていた理由です。

そんなデザートですが、ここ数年はずっとご無沙汰していたのですが、オレンジ・リキュールである「コアントロー」を購入し たのをきっかけに、 昔のレシピで久しぶりに 作ってみたら、なかなか美味しくできたものの、当時よりダンナも私も味にうるさくなっているので、改良点もみつかったりして、相変わらず気に入るまで作り 続けてしまいました。ソースにバターが十分入るので、クレープにはサラダ油を入れて軽くし、ソースは 酸味や香りがもう少しあった方が良いと思ったので、レモン汁と柚子(レモン)の皮も少々入れることにして、そしてジュースを加える時にソースが跳ねないよ うに、 材料を入れる順番を変えたりしました。 でも、匙と計量カップで簡単に作れる点は変わっていません。あまり特別な材料を揃えなくても豪華に見えて、なかなか美味しいので、冬のデザートに是非一度 お試しくだ さい。

  1. ボールに卵と小麦粉を入れ、泡だて器でダマがなくなるまでしっかり練り、砂糖、牛乳、サラダ油を加えて全体がサラッとするまでよ く混ぜたら、30分ほど生地を休ませます。
  2. 生地を休ませている間にソースの材料の準備をしておくと便利です。乾燥の柚子の皮を使う場合は、オレンジジュースの中に皮を入れ てふやかしておくと良いでしょう。
  3. クレープを焼きます。よく熱したフライパンに、ティッシュなどを使って薄く油を塗り、片手にフライパン、片手に6-7分目までタ ネの入ったおたまを持って、 タネをフライパンの中心に一気に流し込みながら、フライパンを回して、全体に薄くタネが流れるようにします。
  4. コンロ上にフライパンを戻したら、少し火力を上げます。クレープの端が色づき始めたらお箸と手でひっくり返します。裏面にも火が 通ったようならお皿に取ります。
  5. ソースを作ります。中火で熱したフライパンにバターを落として溶かし、砂糖を加えて混ぜます。端の方が茶色くなり始めたら、余熱 で更に色づきますの で、一旦フライパンを火から 下ろして、焼き色の美しい方が外側になるように四つ折にしたクレープを、あまり重ならないように並べて入れます。
  6. 跳ねに注意しながら、オレンジジュース、レモン汁、柚子(レモン)の皮を加えたら、フライパンをコンロの火の上に戻します。
  7. グツグツと煮たたせながら、コアントローを大匙一杯ふりかけて火をつけますが、これぐらいの量だとほんの一瞬小さく火がつくだけ なので、別にやらなくても結構です。 コアントローがない場合はソースに砂糖を大匙1杯加えてください。コアントローの代わりにブランデー、コニャック、キルシュなどの他のアルコールで香りを つける 場合も、お砂糖を少し足してください。
  8. ソースにとろみが付いてきたら出来上がり。熱々をお皿にのせて、お好みでバニラアイスを添えて召し上がれ。