カボチャの種パン

Kürbiskernbrot  

このページは「バックフェルメントの起し方」の 続きです。

バックフェルメントを使うと、ライ麦の比率の高いパンでもとても簡単に焼くことができます。ここでは、 ライ麦70%小麦30%で、しかもフォルコーン(全粒粉)という生地を基本にして3種類のパンを作る方法をご紹介したいと思います。
まずは、ローストしたカボチャの種を生地に加えるカボチャの種のパン。表面を飾るのは粗く砕いたカボチャの種です。粒のまま トッピンするよりずっと美しく仕上がるこの方法は、ベルリンのBIOのお店で習いました。バックフェルメントの丸みのある酸味とカボチャの種の独特な風味 がよくマッチした美味しいパンです。ぜひお試しください。

  1. ボールにバックフェルメント元種、ぬるま湯、ライ麦全粒粉を入れてスプーンなどでよく混ぜ、暖かいところで約3時間発酵させま す。私は電源の入っていないオーブンの庫内に湯たんぽを置いて醗酵室を作っています。(庫内温度 約35℃) 暖かい場所で約3時間、体積が2倍になるま で発酵させます。出来あがりの見極めは、生地がふっくらと膨らんで、表面がひび割れていること。
  2. 生地の中に入れるカボチャの種(30g)をフライパンで炒ります。ふっくらして香ばしい香りが立ったら火から下ろして冷ましてお きます。 トッピング用のカボチャの種(約20g)は、お手持ちであれば電動コーヒーミルで数秒だけ粗くひくのが簡単ですが、 なければすりこ木などで叩いて砕いておきます。
  3. ①の生地がふっくら発酵したら、ボールの中に、カボチャの種以外の材料を加えて10分ほど捏ねます。 ライ麦の比率が多いのでベタベタした扱い難い生地ですが、捏ねているうちに弾力性が出てきます。
  4. 捏ねあがったら、炒ったカボチャの種を生地に混ぜ込んで、暖かい場所で20分生地を休ませます。
  5. 生地を休ませている間に、型に油を塗っておき、広めのお皿の上などに砕いたカボチャの種を敷いておきますが、 ライ麦生地の成形に慣れていない方は、砕いた種を型の底と側面にまぶしつけておきます。
  6. 打ち粉をした台の上で生地を丸めて、綴じ目を手のひらに持って、丸い表面の方を粗く砕いたカボチャの 種に押し付け、綴じ目を下にして型に入れます。ライ麦生地の成形に慣れていない方は、ヘラなどを使って生地を型にいれ、表面を水でぬらしたヘラか手で押し て平らにしてから、カボチャの種を散らします。
  7. 暖かい場所で約1時間、体積が1.5倍以上になって表面がひび割れるまで発酵させます。私はここでも湯たんぽを使って温度35℃ の 環境を作って発酵させています。
  8. 生地の表面を霧吹きで濡らしてから、230℃のオーブンで最初は20分、200℃に下げて30分(全体で50分)焼きます。 パンを型から出して、底を叩いてみて軽い音がしたら出来あがり。網などにのせて冷まします。

バックフェルメントの継ぎ方
元種が少なくなってきたら、粉と水を足してバックフェルメントを継いで10倍に増やすことができます。

元種を作る時と同じく全ての材料をよく混ぜたら、室温(最低20℃)で12~18時間発酵させます。 体積が2倍ほどに増えて大きな気泡がたくさん見えるようになったら出来上がり。蓋をして冷蔵庫で保存します。バックフェルメント自体安いものですし、何度 も何度も種継ぎをしていくと雑菌の入り込む危険性も増えるので、私はこうやって一度10倍にした後は元種は使い切って、次はまた一から種を起こし直すよう にしています。