Mohnstollen
芥子の実ペーストを巻き込んだシュトレン
金太郎飴のように切り口の面白いモーンシュトレンをご紹介します。芥子をミルでひき、フツフツと炊いてペーストを作ります。 芥子の実ペーストはどちらかというと旧東ドイツでよく使われるもので、南ドイツやスイスでは芥子の実ペースト入りの シュネッケやケーキはほとんど見かけませんし、スイス人などはパン職人でもその存在すら知らない人も多くいます。
でも、ベルリンで修業をした私にはとっても懐かしく大好きな風味。練りゴマのような芥子の実ペーストを炊く時、あの独特の 香りに包まれると、ふと修業時代のいろんな事を思い出すから不思議。
生地の作り方や形、風味まで「シュトレン」という 名の通りなのですが、中に巻き込むペーストは水分を多く含みますので、 普通のシュトレンのように長持ちはしません。一週間以内には食べきってください。
※キビフレーク (Hirseflocken)は、ヨーロッパではシリアル 売り場(BIOのお店など)に置いてありますが、 日本では手に入りにくいと思われます。パン粉&砕いたビスケットなどで代用してください。 こちらの一般のレシピでも甘いパン粉(パン屋で売れ残った菓子パンを乾燥させて砕いたもの)を使うのが普通ですが、 キビのフレークなら甘味もあってヘルシー♪なので私レシピはこんな感じです。
※ : シュトレンスパイスの配合割合 (ひいた粉の状態 gemahlen)
- 小麦粉100g、卵半分、水50g、生イースト12gを大きめのボールに入れて、つるっとした表面の生地になるまで 捏ねて布巾な どで 覆いをして室温で2時間おいておきます。 (ちなみにうちのキッチンの室温は21℃です。)
- その間に芥子の実ペーストを作ります。芥子は電動コーヒーミルで少しずつひきます。粒が残っているのが 見えなくなるまでしっかりひいてください。小さな鍋に水、砂糖、バターを入れて沸騰させ、ひいた芥子を入れたら、しゃもじで混ぜながら約3分間フツフツと 火に かけます。 鍋を火から下ろし、キビフレーク、アーモンド、シナモンを混ぜ、しばらくして冷めたところで卵半分を加えて混ぜておきます。
- ふわ~と膨らんだ①の生地に、小麦粉100g、バター45g、砂糖40g、塩、スパイスを無理やり混ぜて捏ね、馴染 んできたとこ ろで、 布巾などで覆いをして、約20分室温で生地を休ませます。
- ③の生地を横幅は型の長さより少し短め(18cm)、縦40cmぐらいにのばし、上下端1cmを残して満遍なく芥子 の実ペースト を塗ります。
- 上からと下から、生地を中心に向かって同時に巻いていきます。巻き終わったら、ペーパーを敷いた型に入れますが、両 手で生地の左 右の端を中心に向かって少し押すようにして持ちながらやると入れ易いです。
- 生地の入った型を、湯たんぽをおいたオーブンの庫内(35℃)において1時間発酵させたところ、 生地の体積は2倍になりました。焼き時です。
- 生地の表面に霧吹きで水をかけてから、200℃に熱したオーブンで20分、その後180度で20分、全体で40分 焼きますが、この生地はとても色付き易いので、オーブンに入れて15分ぐらいで生地の上にペーパーやアルミホイルで 覆いをして、焦げたような仕上がりになるのを防ぎます。
- 焼きあがったら、溶かしバターを表面にたっぷり塗り、グラニュー糖をまぶしておきます。 ケーキが冷めたら、粉砂糖をふって出来上がり。