Brezel
ド イツの街角や、ビヤガーデンでよく見かけるあの八の字型のパンです。 塩味がきいていて、焼きたてがとてもおいしいです。 大きく分けて、おなかの部分に切れ目の入ったシュヴェービッシェ・ブレーッツェル(写真)と バイリッシェ・ブレーツェルに別れます。
この黒くて独特の味と歯ごたえのパンは、「嫌いだ」という意見を聞いたことがないくらい 小さな子供から、ドイツパンと馴染みのない日本人の私達にも、意外に誰の口にも合うパンです。 この独特の色と味を出しているのは、ラオゲン(苛性ソーダ NaOH)で、パン生地をラオゲンの中に浸してから焼きます。
このラオゲン、しかし劇薬でして、日本では印鑑持参で薬局へ行かないと手に入らないそうです。 私達も、工房でラオゲンを扱う時には、手袋をしてめがねをかけます。 皮膚についた時にはすぐに水で洗い流します。 このような劇薬ですけれども、ラオゲンは熱によってナトロン(重曹 炭酸水素ナトリウム NaHCO3)に変化しますので、 食べても健康上問題のないものになります。 実際、ブレーッツェルを食べて病気になったなんて話は聞いたことがありません。
それでも、やはりそんな危ないものを家庭のキッチンでは扱いたくないし、そんなレシピをここに載せたいとは思いません。 1999年12月、レープクーヘンを作るために、ナトロン(重曹)を購入したところ、ラオゲンの代用ができることがわかりました。 ナトロン(重曹)は加熱すると、二酸化炭素(CO2)を発生して炭酸ナトリウム(Baking Soda = Na2CO3)になるのだそうです。 この炭酸ナトリウム溶液にパン生地を浸せば、あの独特のパンが焼けるというのです。 とは言っても、ラオゲン(NaOH)と 炭酸ナトリウム(Na2CO3)というのはライオンと猫の関係と同じくらいかけ離れた親戚なので 扱いが危なくない代わりに、出来上がりの色や味が少し薄い感じになってしまうのは否めません。
- 発酵生地作りです。
Vorteigのような感じで、小麦粉・水・生イースト・砂糖を ボールに入れてきれいに混ざるようにお箸などでかき混ぜ、 布巾などをかけて室温で一時間おいておきます。 - ふっくらした①の生地の入ったボールに、残りの小麦粉・水・塩・バターを加えて10分ぐらい捏ねてつるっとした生地に仕上げま す。 ボールに布巾をかぶせて、生地を15分休ませます。
- 生地は6等分(だいたい60g強)して、すべてをツルツルな表面の球形にまとめてから、 一つずつ約40cmのひも状にのばし(真ん中は少し太め)、両端をそれぞれ両手で持ち上げたまま、サッと両手を交差させて戻してみてください。 生地がねじれてブレーッツェルらしき形ができかけてると思います。生地の両端を弧の内側にくっつけたら出来上がり。 (この成形の仕方については、これ以上の説明は無理です。「できない」または「わからない」場合は、ブレーッツェルの形になるように手をくぐらせていろい ろやってください。)
今回私は、ブレーッツェルの他に、Käsestange(ケーゼシュタンゲ チーズの乗った細長いパン)とBrötchen(ブレーッチェン、小型丸 パン)を作りました。 生地の重さは、ブレーッツェル (70g)、ケーゼシュタンゲ (70g)、ブレーッチェン(60g)です。 ケーゼシュタンゲは、Butterhörnchenと同じ成形の仕方、ブ レーッチェンは丸めただけです。 - 成形した生地の表面を乾燥させて少し固くするため、布巾をかけた薄い天板にのせて冷凍庫に20分入れます。
- 鍋に水を沸騰させ、その中にナトロン(重曹)を入れます。泡立つので気をつけてください。 使用する鍋は、ステンレスが良いです。 沸騰を続けた状態で生地を約30秒ずつ浸したら、ペーパーを敷いた天板に並べて粗塩をさっと少量振りかけます。 ブレーッツェルは太い弧の部分に、ブレーッチェンは表面に横一本切れ目をつけます。 ケーゼシュタンゲは縦に切れ目を入れたら、切れ目を左右に広げてチーズをのせます。
- 全てのブレーツェルが天板に準備できたら、冷たいオーブンの中段に天板をセットし、それから火をつけます。 210℃で20~25分焼きます。
掲示板にいただいたご感想です。
KUNさん
う、うまい!
みちえさん!焼いてみましたよ、ブレッツェル!
おいしくて、あっという間に家族の胃袋の中に収まりましたよ。
オーブンに入れ16分経ったものの、生地は白いまま…。「ほんとに、あのこんがりした色になるのかなぁ~。」 不安と期待で、ずっとオーブンの前に仁王立ちしていたんですが、 色づき始めたとたん、あっというまにブレッツェルのあの独特の色に焼き上がりました。うれしい!!
使用した重曹は,普通にスーパーで売っているもの(ダイエーで買った)「炭酸水素ナトリウム 99.0%」 私は生イーストを使わなくて、インスタント・ドライ・イーストを1g強にして焼きました。
patakoさん
今日は師匠のレシピでBrezel焼きました。それがなんと、大成功です!
っていうか、もうすこし成形が上手だったらもうカンペキ!
以前、本を見て作ったときとは大違い!
それにしても、日本にいてBrezelが食べれるなんて、幸せです...
今度、ドイツ好きの知人に食べさせて驚かしてやろう...
いやーホント、みちえ師匠に感謝です。
こちらこそ、嬉しい感想をお寄せいただき、ありがとうございました。