かぼちゃの煮物

2005年10月現在、ドイツやスイスで手に入るカボチャで、日本人が美味く食べられるカボチャの代表格はこの2種類だ と思います。

– 緑色のもの(左)が、「黒皮栗かぼちゃ」で、品種としては Ebisu, Sweet Mama, Mikoshi が入り、一般にはドイツでは 「Grüner Hokkaido」、スイスでは 「Hokkaido」という名前で売られています。
– オレンジ色の皮のもの(右)が、「打木赤皮栗Iかぼちゃ」で、品種としては Uchiki, Kuri が入り、一般にはドイツでは 「Hokkaido または Roter Hokkaido」、スイスでは 「Potimarron」という名前で売られています。
以下、私の文章では緑色の方を 「栗かぼちゃ」、オレンジの皮の方を 「Hokkaido」 とします。

7年前(1998年)にドイツに来た時には、ハロウィンやカボチャは今ほどポピュラーではなく、カボチャと言えば、水っぽ い巨大カボ チャだけが売られていました。そんな味とは知らずに切り身を買って、煮物にして泣き、スープにしても不味かったのですが、買った分だけは無理して食べたよ うに思います。当時、お義父さんが「カボチャというと、戦中戦後の貧しい時代を思い出すから嫌だ。なんだか知らないけど、最近また市場に出てきた。」と 言っていたのを覚えていますので、若いドイツ人にとっては比較的新しい野菜なのではないかと思います。その翌年(1999年)の秋は日本人の友達から、 「オレンジ色のHokkaidoという種類は食べられる」という話を聞いて、わざわざベルリンの高級デパート KaDeWe まで買いに行ったことを覚えています。今ではHokkaidoはドイツ人の間でも食用カボチャの代表格として、確固たる地位を獲得したように思います。当 時は、このHokkaidoも煮物にしたこともありましたが、日本のカボチャのように美味しい緑色の「栗かぼちゃ」が登場してからは、Hokkaido はもっぱらプリン用、スープ用として使っています。ただし、この栗かぼちゃは、まだまだ希少価値の高い存在で、スイスでもBIOのお店では扱われることが 多いようですが、ミグロでみつけるのは運の問題のように思います。
さて、かぼちゃの食べ方ですが、私のレシピに載せている○○ちゃんのおばちゃん直伝の「かぼちゃプリン」も すっごくお薦めなのですが、私はこの プリンを大事な栗かぼちゃで作ることはできなくて、煮物にしたり、天ぷらにしていただいています。私のかぼちゃの煮物は、出汁を使わず、お醤油とお砂糖だ けで仕上げる甘~いものです。水分を少なくして作るので、水っぽくなく煮崩れしません。お出汁で炊く方も、作り方の参考にだけでも見ていただけると嬉しい です。


  1. かぼちゃは種とわたを取り除き、幅3-4cmのくし形に切って、さらに3-4cmずつ切ります。
  2. お汁がよく染み込むように、そして見た目のために、皮を2-3箇所薄く削ぎ取ります。
  3. かぼちゃが重ならない底面積のある鍋に、水、砂糖、醤油、塩を入れてよく混ぜ、そこへかぼちゃを皮を下にして浸けて 30分そのま ま置いておきます。 こうすると澱粉が溶け出して、煮崩れしにくくなるそうです。(ためしてガッテンより)
  4. 少なめの水分でも煮てる間に汁気が行き渡るように、アルミホイルで落し蓋をして、弱めの中火で約20分煮ます。この 時、写真のよ うにグツグツ沸騰が続く火加減にしてください。 でも、あまり強すぎても煮崩れしますから、ほどほどに。
  5. かぼちゃが柔らかくなっていることを確認したら、落し蓋を取って5-10分、汁気がなくなるまで煮たら出来あがり。